地方銀行サイトランキング

ノミネートについて

Gomez地方銀行サイトランキング」は、全国の地方銀行と第二地方銀行が展開するウェブサイトのユーザビリティとコンテンツを分析・評価・スコアリングを行い、その結果をランキング形式で発表するというもので、今回で10回目の発表となります。
当ランキングでは、予選調査を実施し、一定水準のクオリティを持つウェブサイトのみをスコアリングの対象としています。

上位サイトの特徴

「Gomez地方銀行サイトランキング2022」の総合1位は、「伊予銀行」となりました。昨年の総合6位から大きく順位を上げる結果となりました。総合スコアは7.86点を獲得し、カテゴリ別では、「機能性・使いやすさ」で1位、「商品・サービス情報の充実度」で8位となりました。
ウェブメディアを通じた投資や資産運用の記事が充実しており、動画を含めた公式SNSでの情報発信を積極的に行っています。また、入力フォームの最適化に伴う入力内容に応じた文字種変換や入力エラーのリアルサポート機能を取り入れています。その他、支店ページにてATM混雑状況の目安表を提供しており、全体を通してユーザーに寄り添う細やかなサービスが行き届いたウェブサイトと言えるでしょう。

総合第2位は「群馬銀行」となりました。カテゴリ別では、「機能性・使いやすさ」で4位、「商品・サービス情報の充実度」で1位となりました。順次サイト改良を重ねて、総合は前年と同じく2位となりましたが、カテゴリ別はどちらの項目も1つずつ順位を上げる結果となりました。
特徴的なサービスの一つとして、個別のウェブ相談を実施しており、ローンや資産運用、相続まで幅広く対応しています。
また、ライフプランシミュレーション機能は簡易版と詳細版に区分されているため、自分に合った診断を選ぶことができます。トップページのファーストビュー内では、キャンペーン告知や最新情報をユーザーの目に留まりやすいように大きく配置し、時代に合わせたサービスの提供を積極的に行っています。

総合第3位は「横浜銀行」となりました。カテゴリ別では、「機能性・使いやすさ」で7位、「商品・サービス情報の充実度」で2位となっています。
マルチデバイスを考慮したグローバルメニュー、サイト構成が特徴的です。また、来店不要のローン申し込みはSMS(ショートメッセージサービス)を活用し、ウェブ完結型で提供しています。
その他、シミュレーション項目を一覧化したページを提供し、預金商品、ローンごとに受取額や返済額を確認した後に、仮審査申込を行う導線を確保しています。ユーザー自身が疑問を解決するためのフローが整備されている充実度の高いウェブサイトと言えます。

全体的な傾向

地方銀行・第二地方銀行(以下「地銀等」)におけるウェブサイト改善の動きは引き続き活発です。

マルチデバイス化対応については、スマートフォン最適化がトップページや店舗検索等の主要ページを中心に進む一方で、新着情報や商品説明ページ等、ユーザーが最新のキャンペーンをはじめとする鮮度の高い情報を収集するには、いまだPCサイトの充実度に追いつけていない状況です。また、スマートフォン対応に加え、タブレット等の各種デバイス環境に応じたレスポンシブ対応の達成度は低く、画面領域に合わせた適切な文字サイズや可変式のデザイン設計への対応は、今後も改善の余地がある分野と言えます。

世界的な関心の高まりを背景に、従来のCSRや社会貢献に関する情報だけでなく、SDGsへの賛同表明を掲載する地銀は増えています。しかし、気候変動等の具体的な課題への取り組みの掲載はまだまだ全体としては少数であり、今後のコンテンツ充実が期待されます。

今年の大きな注目点としては、オンライン完結型サービスの増加が挙げられます。来店不要のローン手続きは、オンライン完結型と既存の郵送や電話対応を含めて、ユーザー自身で選択できるようにタブ切り替えで用意するケースも多く見られます。
また、ヘルプやサポートのためのチャット機能の導入は年々増加し、ライフプランや各種ローンのシミュレーション機能も充実しています。オンラインセミナー等のウェブ上で実施されるサービスは、顧客とのコミュニケーションの効率化や利便性向上に加えて、非接触型サービスの新しいコンテンツとして普及していくことが期待されます。