2021年6月3日

M&Aプラットフォームサイトの活況と最新動向について

M&Aプラットフォームへの社会的期待

近年、日本におけるM&A仲介業者の数は年々増加しています。なかでも、M&Aプラットフォームの登場により、これまではコスト、知識や情報等の様々な観点からM&A(企業の合併及び買収の略称、会社法の定める組織再編に加え、株式譲渡や事業譲渡を含む。)が難しかった中小・零細企業や個人(事業主)についても、マッチング可能性が飛躍的に高まることが期待されています。また、高齢化が進む日本社会において、事業継承ニーズの受け皿としてM&Aプラットフォームが果たす役割は大きいと言えます。このような社会的な関心と期待を背景に、多くのM&Aプラットフォームがサービスを展開していますが、登録・利用条件やサービスの範囲等、それぞれに特徴が見られます。

M&Aプラットフォーム自体のM&Aも活発化

2000年代から増加傾向にあるM&Aプラットフォーマーは、2020年末時点では370社が存在しています。さらに、最近では、日本事業承継アントレプレナーズ株式会社がM&Aナビ運営会社の株式を過半数取得する等、急増したM&Aプラットフォームの中でM&Aを行う動きも活発化してきています。

M&Aプラットフォーム自体のM&Aも活発化_01

(出所) レコフデータ調べ (2020年12月31日現在 設立年判明分)

M&Aプラットフォーム自体のM&Aも活発化_02

(出所) 中小企業庁 「中小企業の経営資源集約化等に関する討論会 取りまとめ」

各サイトともに独自能・サービスを展開

この度Gomezでは、M&Aプラットフォームユーザーとなる掲載案件の売り手・買い手ともに幅広く門戸を開きサービスを提供する6サイト(TRANBI / BATONZ / SPEED M&A / M&Aナビ / M&A PARK / MARR MATCHING)を対象に調査を実施しました。
「M&Aプラットフォームサイトランキング」(2021年5月)

案件のお気に入り機能や新着案件の通知機能等、全てのサイトが達成する基本的なサービス・機能がありながらも、チャットツールや株主価値算定サービスの提供といったそれぞれ1社のみが提供するサービス・機能もあり(達成率17%)、各社ごとに特徴的な取り組みも見られました。情報の充実度・信頼感の観点では、法人・個人(事業主)ともに登録時に求められる証明書についてはサイトごとに違いがあり、例えば法人の場合に履歴事項全部証明書のアップロードを必須とするサイトは2社にとどまります(達成率33%)。

料金体系も多様化

多くのサイトでは売り手ユーザーには課金しないため、複数のサイトに案件を登録しているケースが多く見られます。一方で、買い手ユーザーの料金体系はサイトによって異なります。最近では、従来からある成功報酬型の料金体系ではなく、月額利用料といった料金体系や会員制度を採用するケースも見られます。こうした定額サービスを採用する代表的なTRANBIやBATONZは、有料会員への充実した情報提供や研修プログラムを提供しています。一方で、M&AナビやSPEED M&Aのように、買い手ユーザーの手数料を無料化するサイトも現れています。

セキュリティ対策の強化が今後の課題

本調査対象の6サイト全てがスマートフォン最適化する(達成率100%)等、ウェブサイトの使いやすさについては一定程度の水準で達成している一方で、サイトの安定性・セキュリティについては達成度に大きなばらつきが見られました。今後は、非推奨のバージョン利用(フレームワーク、言語、OS等)の不使用やHTTPレスポンスヘッダによるセキュリティ対策の実施等が全サイトともに求められる課題と言えるでしょう。

目的や事業環境を踏まえて、利用サイトを選択することが肝要

M&Aプラットフォームサイトは、幅広く門戸を開いた登録型サイトもあれば、ユーザーや案件について審査制を採用し、厳選したユーザーに対してよりフィットしたサービスを提供するサイトも存在します。そのため、売り手・買い手ともに、自らの目的や事業環境を踏まえて、利用するサイトを選択することが肝要です。

主要なM&Aプラットフォーマーのサイト設計やサービスの紹介

TRANBI(株式会社トランビ)

2016年にサイトを開設したTRANBIは、中小企業庁・事業引継ぎ支援センターと連携する民間M&Aプラットフォーマーの1社です。最近では、従来の成功報酬型ではなく月額利用型の料金体系を採用し、全国の信用金庫と連携する専用サービスや人材マッチングサービスを提供する等、新しい取り組みにも積極的です。

TRANBIサイトは、掲載案件に関する情報が大変充実しており、買い手ユーザーは初回のコンタクト前に案件を独自に吟味することができます。また、法人・個人(事業主)ともに、M&Aの交渉を申し込むにあたっては履歴事項全部証明書や公的証明書等の登録が必須となっており、取引の信頼感が高いことも特徴として挙げられます。サイトのセキュリティ・安定性も高いレベルで達成しています。


BATONZ(株式会社バトンズ)

日本M&Aセンターが出資するBATONZは、国内最大級の成約実績を誇るM&Aプラットフォームサイトの1つです。

BATONZは、便利なサービス・機能が充実するユーザーにとって魅力的なサイトとなっています。特に、買い手ユーザーにとっては検索やお気に入り機能等の使い勝手がよく、ログイン後のマイページでは、入力した買いニーズに基づき推奨案件が「おすすめ売り案件」として自動的にピックアップされます。成約事例紹介や専門家によるコラム等、初心者にも理解しやすいコンテンツも充実しています。また、買収資金の調達についても日本政策金融公庫と連携しており、買い手ユーザーにとっては魅力的なサービスとなっています。


SPEED M&A(株式会社アイデアルパートナーズ)

成約のスピードを重視するSPEED M&Aでは、M&Aコンサルタントによるサポート機能が充実しています。また、一部ではありますが、買い手ユーザーを手数料無料としています。

シンプルなデザインのウェブサイトは、メニュー項目や表示位置が一貫しており、サイトマップも参照しやすいため、ユーザーが現在位置を把握し必要な情報にスムーズに遷移できる使いやすい構成となっています。また、チャット機能が豊富で、交渉相手や事務局ともプライベートチャットでファイル添付等も含めたやり取りが気軽にできる点も特筆すべきでしょう。

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