2019年実施のECサイトパフォーマンスランキングに掲載した企業、およびEC売上高調査「ネット販売白書」(2019年実施)上位企業より28社を選定し、ECサイトトップページの表示時間、稼働率を測定した結果を発表します。
結果は、サイトごとに平均値を算出し掲載しております。測定は、PCサイトでは、2021年3月28日から4月4日まで、スマートフォンサイトでは、2021年4月20日から27日までのそれぞれ一週間にわたり実施しました。
2019年実施のECサイトパフォーマンスランキングに掲載した企業、およびEC売上高調査「ネット販売白書」(2019年実施)上位企業より28社を選定し、ECサイトトップページの表示時間、稼働率を測定した結果を発表します。
結果は、サイトごとに平均値を算出し掲載しております。測定は、PCサイトでは、2021年3月28日から4月4日まで、スマートフォンサイトでは、2021年4月20日から27日までのそれぞれ一週間にわたり実施しました。
今回は、Google検索ランキングの新たなシグナルとして2021年6月に組み込まれる予定のCore Web Vitals(コア ウェブ バイタル)(※1)および関連指標の結果も併せて発表します。
※1 本調査では、画面ロードに関する「Largest Contentful Paint」、「Cumulative Layout Shift」の結果を発表
Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)とは、
ウェブで優れたユーザー エクスペリエンスを実現するために重要と思われる品質シグナルの統合ガイドを提供する取り組みです。
(Google Developers Japan Web Vitals の概要: サイトの健全性を示す重要指標 より)
と、あります。
Googleの本取り組みもあり、Webにおけるより良いユーザ体験の提供がより一層求められ、これら指標の定期的な監視も重要性を増していくことでしょう。
今回のランキングでは、人気ブランドを多数手がけるアパレルメーカーの「ベイクルーズ(EC売上高ランキング23位)」が、ページ表示速度1.36秒でトップとなりました。続く2位は、前回のランキングでトップであった写真用品店チェーンの「カメラのキタムラ(EC売上高ランキング16位)」の1.63秒、3位は、セブン&アイ・ホールディングスグループとYahoo! JAPANの提携通販サイトである「セブンネットショッピング(EC売上高ランキング15位のイトーヨーカ堂の1サービスサイト)」の1.86秒でした。
当社推奨表示速度2秒以内を達成したのは、ランキング4位のAmazonまでですが、ボタンクリックやリストの選択などサイト操作が可能となるタイミングを示す指標であるDom interactive値は0.5秒以内が理想であり、コンテンツがリッチであるECサイトの特性を考慮すると1秒未満、3位の「セブンネットショッピング」までが達成ラインといえそうです。
最も容量の大きなコンテンツ(画像など)を表示するまでにどれくらい時間がかかったかを表すLargest Contentful Paint(LCP)の結果では、25社(全28社)が、Googleの推奨値である2.5秒以内を達成しています。しかし、この推奨値は実際アクセスしたユーザを元にした際の推奨値であるため、本ランキングなどSynthetic定期計測値は1.0秒が目標ラインとなるでしょう。
また、読み込みに応じて発生するレイアウトのずれを表すCumulative Layout Shift(CLS)の結果では、9社(全28社)が、Google推奨値である0.1未満を達成しています。
サイトを見ている際に、広告が表示されることによりテキストが画面下部に押し下げられる場合がありますが、この様な状態はUXが低いと判断され、CLS値を大きくします。
【測定条件】
測定ツール :Dynatrace
測定拠点 :Tokyo(AWS)、Osaka(Azure)
測定期間 :2021年3月28日〜4月4日
測定間隔 :60分毎(全169回)
測定ブラウザ :Google Chrome
測定対象ページ:PCサイトのトップページ
スマートフォンサイトでは、家電量販店の「ヨドバシ.com(EC売上高ランキング2位)」が、ページ表示速度1.78秒でトップとなりました。続く2位は、同じく家電量販店の「ヤマダ電機(EC売上高ランキング17位)」の2.36秒、3位は、総合ショッピングECモールである「楽天市場(プラットフォームのためEC売上高ランキング対象外)」の2.47秒でした。
当社推奨表示速度2秒以内を達成したのは、ランキング1位のヨドバシ.comのみでした。操作可能となるタイミングを示す指標であるDom interactive値が0.5秒以内を達成していたのは、「ユニクロ(表示速度15位)」、「セブンネットショッピング(表示速度16位)」、「ベイクルーズ(表示速度5位)」の3社であり、表示速度上位サイトはいずれも1秒を超える結果となりました。スマートフォンを利用するユーザの多くは、表示の完了を待たずに操作を行います。ページがインタラクティブになるまでの時間への意識も重要となってきています。
【測定条件】
測定ツール :Dynatrace
測定拠点 :Tokyo(AWS)、Osaka(Azure)
測定期間 :2021年4月20日〜4月27日
測定間隔 :60分毎(全169回)
測定ブラウザ :Google Chrome
測定対象ページ:SPサイトのトップページ
今回は、トップページの表示速度ランキングの結果を発表しましたが、各サイトの商品一覧、各商品の詳細ページの計測も併せて実施しています。
当社推奨値を全てクリアーしたPCサイトランキング1位のベイクルーズですが、商品詳細ページでは、推奨値全てが未達成であり、コンテンツの読み込みタイミングの課題などが見つかっています。また、PCサイトランキング2位、スマートフォンサイト4位のカメラのキタムラは、HTTPエラーの多発により、商品一覧、商品詳細いずれのサイトでも推奨値未達成、主要コンテンツの表示遅延を確認しています。
HTTPエラーやJSエラーはその他多くのサイトで発生しており、これによるコンテンツの読み込み遅延、画面操作が行えない状況の発生が想定できます。また、サイト表示速度の安定性を欠くサイトも少なくはなく、サーバーの負荷状況の確認も必要となります。
今回の結果を元に、自社サイトの状態を再確認されることをお勧めします。本結果は、サイトの優位性や利便性を保証するものではありませんが、一般的にサイト離脱の要因の一つとしてページ表示速度があげられます。また今後、ウェブページのユーザーエクスペリエンス(UX)がより重要視されてくるため、アクセスユーザへの良質なユーザ体験を維持するためにも、自社サイトのユーザ体験を知ることはますます重要となるでしょう。
ユーザアクション(本計測では画面のロード)から全ての画面リソースの読み込みが完了する時間です。画面表示速度。
DOMの構築が完了した時間です。通常、この時点で画面操作が可能になります。
プラウザ表示領域内(ページの上部からブラウザ下部まで。 スクロール部分は含まない。)の全要素の描画(レンダリ ング)を完了したタイミング。 ファーストビュー速度。
最大コンテンツの表示に要した時間。
表示されるページコンテンツのレイアウトのずれなど視覚的な安定性を定量化。
測定期間中、計測不可やエラーにならず測定完了した割合です。
Gomezでは貴社の状況に合わせ、パフォーマンス監視ASPサービス、パフォーマンス改善コンサルティングのサービスをご提供しています。
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