ゴメス・コンサルティング株式会社

2009年5月14日
ゴメス・コンサルティング株式会社

「業界別サイトパフォーマンス動向(2009年5月)」の発表について
~GW期間中の交通機関サイトパフォーマンス動向を追加調査~

ゴメス・コンサルティング株式会社(以下、ゴメス)は本日、Webサイトパフォーマンス測定ツールGomez Performance Networks(以下、GPN)で計測した「業界別サイトパフォーマンス動向」を発表いたしました。

Webサイトの利便性を左右する主な要素として、デザイン、レイアウトといった目に見える点だけではなく、ユーザーが体感する「サイトパフォーマンス」の重要性が高まってきております。
サイトパフォーマンスは、表示速度(ページが完全に表示されるまでの時間)及びページ稼働率(正常に表示された回数/テスト回数)の計測結果により示されます。
当ランキングは、各業界別にサイトパフォーマンスを比較評価することを通じ、インターネットの総合的な利便性向上に資することを目的に発表しております。

今回は、業界別の月間動向に加え、4月27日から5月6日までのゴールデンウィーク(以下、GW)期間中における、鉄道会社(JR6社、大手私鉄16社)及び高速道路会社(6社)のWebサイトを対象として、サイトパフォーマンスを計測しました。
その結果、これら交通機関サイトの多くで、一般ユーザーのアクセス集中が原因と考えられる表示速度遅延が計測されました。

ETC休日特別割引の影響から多くの渋滞が発生した高速道路では、JARTIC(日本道路交通情報センター)において、5月2日の9時台に40.209秒の遅延が発生し、その後断続的に18時まで20秒を超える表示速度遅延が測定されました。同日には首都高速道路でも10秒を超える表示速度遅延が複数回発生していました。
また、ネクスコ中日本では4月28日15時から4月30日16時にかけて、24.221秒をピークとして、10秒以上かかったケースが約1割の割合で発生していました。
阪神高速においても、4月27日から5月6日までの6時台から13時台の時間帯において、4秒前後の表示速度が繰り返し計測されました。

鉄道会社においては、比較的表示速度が安定しているJR6社に対して、京王電鉄や小田急電鉄、東武鉄道、西武鉄道では、断続的に通常時の3倍前後の遅延が計測されました。例えば東武鉄道では4月30日の12時に45.538秒と大きな遅延が発生したほか、4月27日から5月4日にかけて断続的に10秒を超える表示速度が計測されています。

航空会社においては、GW期間中も通常時と比較的変わらない表示速度となっていました。

(グラフ1)5月2日から5月3日にかけてのJARTICサイトの表示速度

[グラフ1]5月2日から5月3日にかけてのJARTICサイトの表示速度

2日11時台でアクセス集中が原因と思われる計測不能のエラーが発生しています。

(グラフ2)5月2日から5月3日にかけての首都高速道路サイトの表示速度

[グラフ2]5月2日から5月3日にかけての首都高速道路サイトの表示速度

2日11時台でアクセス集中が原因と思われる計測不能のエラーが発生しています。

(グラフ3)4月27日から5月6日までの阪神高速道路サイトの表示速度

[グラフ3]4月27日から5月6日までの阪神高速道路サイトの表示速度

阪神高速道路においては日中に深夜時間帯と比較して、4倍近い表示速度遅延が継続的に測定されました。

【GW期間中の交通機関各社のサイトパフォーマンス測定結果】

測定期間:2009年4月27日(月)~2009年5月6日(水) の10日間
測定環境:国内2箇所のデータセンターから外部インターネット環境を通して各サイトのトップページ表示速度を計測。(10Mbpsのネットワーク接続環境)
縦軸が表示速度(秒)、横軸が日時を表します。

高速道路6社

順位 業界 表示速度(秒) サイト稼動率(%)
1 ネクスコ東日本 0.495 100
2 ネクスコ西日本 0.964 100
3 JARTIC(日本道路交通情報センター) 1.539 99.37
4 首都高速道路 2.295 98.95
5 阪神高速道路 2.398 100
6 ネクスコ中日本 2.584 100
  6社平均表示速度およびサイト稼働率 1.713 99.72

JR6社および大手私鉄16社

順位 業界 表示速度(秒) サイト稼動率(%)
1 南海電気鉄道 0.850 100
2 東京急行電鉄 0.880 100
3 JR東海 0.922 100
4 京成電鉄 0.944 100
5 京阪電気鉄道 1.073 100
6 JR西日本 1.094 100
7 京浜急行電鉄 1.150 100
8 阪神電気鉄道 1.235 100
9 JR北海道 1.326 100
10 東京地下鉄 1.373 100
11 JR東日本 1.572 100
12 京王電鉄 1.586 100
13 名古屋鉄道 1.588 100
14 小田急電鉄 1.619 100
15 相模鉄道 1.704 100
16 西武鉄道 2.017 100
17 近畿日本鉄道 2.099 100
18 JR九州 2.339 100
19 西日本鉄道 2.375 100
20 JR四国 2.505 100
21 東武鉄道 3.761 100
22 阪急電鉄 8.111 100
  鉄道22社平均表示速度およびサイト稼働率 1.915 100

【銀行・証券・航空・不動産・新聞業界のサイトパフォーマンス測定結果】

測定期間:2009年4月1日(水)~2009年4月28日(火)の4週間
測定環境:国内2箇所のデータセンターから外部インターネット環境を通して各サイトのトップページ表示速度を計測。(10Mbpsのネットワーク接続環境)

-が改善を表し、+が劣化を表します。

業界別の平均

順位 業界 表示速度(秒) サイト稼動率(%)
銀行業界 14社 1.965 +0.215 98.14
証券業界 9社 3.271 -0.147 99.75
航空業界 8社 2.035 +0.236 99.94
不動産業界 17社 1.864 +0.199 99.46
新聞業界 4社 2.702 +0.460 99.72

銀行業界

順位 サイト名 表示速度(秒) 前回比(秒) サイト稼動率(%) 前回順位
1 住友信託銀行 1.269 +0.266 100 1
2 ジャパンネット銀行 1.289 +0.092 100 4
3 三井住友銀行 1.314 +0.245 100 2
4 セブン銀行 1.446 +0.324 100 3
5 新生銀行 1.518 -0.233 100 8

6位以下の順位は次のとおりです。
6位三菱東京UFJ銀行、7位みずほ銀行、8位ソニー銀行、9位中央三井信託銀行、10位りそな銀行、11位ゆうちょ銀行、12位住信SBIネット銀行、13位シティバンク銀行、14位イーバンク銀行

証券業界

順位 サイト名 表示速度(秒) 前回比(秒) サイト稼動率(%) 前回順位
1 カブドットコム証券 0.485 +0.053 100 1
2 SBI証券 1.107 +0.090 97.81 2
3 日興コーディアル証券 1.521 +0.144 100 4
4 大和証券 1.610 +0.428 100 3
5 マネックス証券 1.967 +0.416 100 5

6位以下の順位は次のとおりです。
6位野村證券、7位ジョインベスト証券、8位松井証券、9位楽天証券

航空業界

順位 サイト名 表示速度(秒) 前回比(秒) サイト稼動率(%) 前回順位
1 スカイネットアジア航空 0.329 +0.011 100 1
2 スカイマーク エアラインズ 0.714 -0.343 100 3
3 AIR DO 1.087 +0.197 99.96 2
4 ANA SKY WEB 1.927 +0.334 100 4
5 スターフライヤー 2.577 +0.234 99.96 6

6位以下の順位は次のとおりです。
6位JAL、7位エアーニッポン、8位国内線.com

不動産業界

順位 サイト名 表示速度(秒) 前回比(秒) サイト稼動率(%) 前回順位
1 CHINTAI 0.730 +0.052 100 1
2 エイブル 0.765 +0.069 100 2
3 アパマンショップ 1.163 -0.096 100 5
4 goo住宅・不動産 1.250 +0.174 100 3
5 フォレント 1.310 +0.041 99.96 6

6位以下の順位は次のとおりです。
6位楽天不動産 賃貸情報、7位ホームアドパーク、8位Yahoo! 不動産、9位HOME'S賃貸、10位at home web、11位レオパレス21、12位シャーメゾン.com、13位ピタットハウス、14位ホームメイト、15位いい部屋ネット、16位センチュリー21、17位ドッとあーる賃貸

新聞業界

順位 サイト名 表示速度(秒) 前回比(秒) サイト稼動率(%) 前回順位
1 読売新聞 1.548 +0.198 100 1
2 日本経済新聞 2.655 +0.348 98.91 3
3 朝日新聞 3.289 +0.229 99.96 4
4 産経新聞 3.317 +1.065 100 2

Webサイトの表示速度が遅くなる原因は多岐に渡りますが、一般的にはサーバ/ネットワークのスペックに加え、アプリケーションプログラムの複雑さ、1ページのページバイト数やオブジェクト数、JavaScriptやCSSの処理の複雑さなどが要因となります。
ゴメスでは、表示速度の客観的な測定とその改善施策をサイト運営企業にご提供することにより、ユーザーにとって満足度の高い、安定的で速度の速いWebサイトの実現をサポートしてまいります。

サイトパフォーマンスに関連しゴメスでは5月26日(火)に「Webサイトパフォーマンス管理と客観的評価手法セミナー~レスポンスタイムの向上でコンバーション率アップへ~」を開催します。詳細につきましてはセミナー情報ページ(https://www.gomez.co.jp/seminar/index.html)をご確認ください。

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