ゴメス・コンサルティング株式会社

2008年9月3日
ゴメス・コンサルティング株式会社

「2008年8月 CSRサイト優秀企業(製造業)」13社の発表について

ゴメス・コンサルティング株式会社(以下、ゴメス)は本日、「2008年8月 CSRサイト優秀企業(製造業)」をゴメスのウェブサイト(https://www.gomez.co.jp/)上で発表いたしました。

先のG8洞爺湖サミットでは地球環境問題が主要な議題となり、温室効果ガス排出削減などへの取り組みが確認されました。環境問題への関心が高まる中、企業活動における環境対策の重要性は年々高まっています。また、社会的な不祥事が原因で市場からの退場宣告を突きつけられる企業も相次ぎ、コンプライアンスや内部統制、ステークホルダーとのかかわり方なども、企業の持続可能性の観点から無視できない要因となっています。

こうした中、企業の社会的責任(CSR)に対する取り組みが、企業活動そのものにも影響を与えるようになりつつあります。環境問題に対する関心の高まり、社会的責任投資の浸透、就職先を選ぶ際の企業の社会的姿勢の重視など、CSRの影響は製品・サービス市場にとどまらず、資本市場や労働市場にも及ぶため、環境・社会に対する取り組みを適切に開示することが肝要となります。そして昨今、環境報告書やCSR報告書のような紙媒体による報告に加え、ウェブサイトを活用して積極的に情報開示を行う企業も徐々に増えてきています。

このような現状を鑑みゴメスでは、環境問題と密接に関連する製造業を中心に、CSRサイトの掲載コンテンツとユーザビリティの状況を調査し、多彩な情報と使いやすさを兼ね備えたCSRサイトを構築・提供している優秀企業を選定いたしました。
「2008年8月 CSRサイト優秀企業(製造業)」は、以下の13社となりました。

銘柄コード 会社名
2502 アサヒビール
5001 新日本石油
6367 ダイキン工業
6502 東芝
6503 三菱電機
6645 オムロン
6701 日本電気
6702 富士通
6752 松下電器産業
6758 ソニー
7267 本田技研工業
7733 オリンパス
7752 リコー

※銘柄コード順

【13社の評価コメント】

会社名 評価コメント
アサヒビール ステークホルダーへの取り組みに関する情報を積極的に開示。中でも品質に対する取り組みは工程ごとに情報を開示したり、専用ページを設けたりするなど、徹底している。飲料を取り扱うメーカーとしての品質への責任やこだわりが伺えるサイトである。
新日本石油 環境や社会への取り組み情報のみならず、CSRガイドツアーやサービスステーションにおけるCSRの取り組みなどで、身近な事例を用いながら、事業を通じたCSRの取り組みを伝えている。国内のCSR活動を毎月更新し、積極的な情報開示を推進するCSRサイトとなっている。
ダイキン工業 環境、社会パフォーマンス報告ともに、グラフ等を活用して充実したページを構築している。特に、主力事業であるエアコンや空調機と地球環境との関係に重点を置いた情報が多彩であり、サイトを通じて事業活動と環境対策の密接なかかわりが理解できる。
東芝 CSR活動における目標と実績がコンパクトにまとめられ、ステークホルダーへの経済的価値配分も公開されている。環境経営情報では、ビジョンや事業活動における取り組み報告、グループ各社の報告など情報が多彩なCSRサイトである。
三菱電機 特集コンテンツが充実している。「環境技術図鑑」をはじめ、自社製品や技術と環境とを関連付けたコンテンツが多彩であり、太陽光発電システムや電力用キャパシタなど、これからの環境技術に対する力の入れ方が伝わってくるコンテンツとなっている。
オムロン 5つの事業別にCSR活動がまとめられており、それぞれのミッションや取り組み、環境・社会に有益な製品に関する情報等を通じてCSRの視点から各事業の特徴を把握できる。環境活動全体の目標と実績は対比しやすく、一覧ページから個別ページへの誘導にも配慮されている。
日本電気 紙媒体ではなく、ウェブを中心に環境情報を開示する先進的なサイトである。最新情報は環境活動ホームページに、一定期間の活動報告は環境アニュアルレポートサイトで公開し、多彩な情報を掲載。動画の活用や四半期ごとのハイライト情報など開示方法もきめこまかい。
富士通 ITと環境との関わりやソリューションによる環境負荷低減など、本業と環境との関わりがまとめられている。また、ウェブアクセシビリティ指針を徹底した、様々な利用者に配慮されたサイトであり、ウェブサイトにおける社会的責任を体現しているサイトでもある。
松下電器産業 松下グループの環境経営戦略「eco ideas」をベースにした豊富な環境情報を掲載。「Channel Panasonic」を使った動画コンテンツを活用し、環境経営について語る経営者の姿、各種活動や展示会の模様を知ることができる。環境に対する意気込みが伝わってくるサイトである。
ソニー CSRコンテンツは図表を活用しながら詳細な報告がなされている。用語集などの基礎知識に関するコンテンツ、「環境への取り組み」「スペシャルコンテンツ」の特設コンテンツ、環境パンフレットなども掲載され、様々な角度・視点からの環境情報を閲覧できる。
本田技研工業 サイト上で「環境年次レポート」「CSRレポート」「社会活動年次レポート」の三大レポートをPDFで公開している。特に環境レポートはHTML版でも公開されているため、ウェブサイト上での利用や閲覧に適したサイト構成である。
オリンパス マテリアルフロー図や環境会計集計結果などの一覧情報と個別の取り組みページとが結びつき、関連情報を探しやすい。また、豊富な情報に加え、余白を効果的に使った読みやすいページ構成であり、使いやすさ・読みやすさの両面からユーザーに配慮されている。
リコー 環境経営における製品への取り組みや事業所での取り組みなどは、考え方から具体的な目標、年度レビュー、そして今後の取り組みが明記され、内容が把握しやすい。最近の活動も常時アップデートされるなどきめこまかい。全体的なナビゲーションもしっかりしており、ユーザビリティ、コンテンツの両面から優れたCSRサイトである。

【調査概要】

調査期間 2008年7月1日~8月25日
調査対象 東京証券取引所第1部に上場する製造業856社が構築しているCSRサイト(環境活動、社会貢献活動等に関する活動内容を報告するサイト)を調査したものです。

【ノミネートについて】

(1)CSR情報ページへの動線、報告書掲載の有無など、基本的な調査項目に基づいて評価を行い、最低水準を満たすサイトをノミネートしています。
(2)ノミネートされた130サイトを約200の調査項目で精査し、優秀企業を選定しています。

【評価内容】

カテゴリ名称 評価内容
ウェブサイトの使いやすさ CSRサイトの使いやすさを総合的に評価します。具体的には、
1.メニューとナビゲーション
2.CSRコンテンツページの使いやすさ
3.技術・デザイン(Webアクセシビリティなど)
4.情報検索機能
から構成されます。
環境活動報告 地球環境問題への取り組みの情報を、情報量と構造の両面から評価します。具体的には、
1.環境マネジメント体制
2.環境活動目標と実績報告
3.地球温暖化問題などの各環境問題への取り組み
4.環境データ
の各コンテンツに対する評価から構成されます。
社会活動報告 各ステークホルダーへの取り組みの情報を、情報量と構造の両面から評価します。具体的には、
1.企業統治とコンプライアンス
2.お客様、取引先への取り組み
3.人材教育と労働環境への取り組み
4.地域社会等への取り組み
の各コンテンツに対する評価から構成されます。
きめこまかな情報開示 各種報告書や新着情報、問い合わせ等、情報開示のきめこまかさを評価します。具体的には、
1.各種報告書の掲載
2.新着情報と特集コンテンツ
3.問い合わせ窓口などのユーザー・コミュニケーション
に対する評価から構成されます。

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